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弁護士コラム Column

刑の一部執行猶予

2020年11月02日
伊勢駅前事務所 弁護士 居石 孝男

刑事裁判の判決で「被告人を懲役1年6月に処する。この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。」と言い渡されることがあります。これが、いわゆる執行猶予付きの判決です。

執行猶予の判決が言い渡されると、刑の執行が猶予されます。懲役刑の場合には、執行猶予によって刑務所に収容されないこととなります。そして、執行猶予が取り消されずに猶予期間が満了すると刑の言い渡しは効力を失うとされています。これが一般的な執行猶予の制度です。

これに対し、刑の一部執行猶予という制度が平成28年から始まりました。

一部執行猶予の場合には、判決で「被告人を懲役3年に処する。その刑の一部である懲役6月の執行を2年間猶予し、その猶予の期間中被告人を保護観察に付する。」等と言い渡されます。

上記判決の場合、一部執行猶予を言い渡された被告人は、刑が確定するとまず2年6か月懲役刑に服した上、2年間保護観察に付され、保護観察所で更生のためのプログラムを受けるなどしていくことになります。そして、2年間の猶予期間が満了すれば6か月分の刑については執行されないこととなります。

この制度は、実刑が相当である被告人に対し、その更生や再犯防止等の観点から、刑の一部の執行を猶予した上、刑務所からの出所後、さらに保護観察に付すことで社会内での更生を図っていくために設けられた制度です。

一部執行猶予の制度を被告人自身の立場でみると、全て実刑の判決を言い渡された場合よりも早く社会に復帰できるというメリットがある反面、保護観察に付されることにより保護観察所の監督等を出所後も相当期間受けることになります。

 そのため、弁護士としては、法律上の一部執行猶予の要件を満たしている事案の場合でも制度の趣旨を踏まえ、被告人の意思を確認した上で、一部執行猶予の判決を求めていくか否か方針を立てていくことになります。

 私自身、薬物犯罪の案件で、被告人本人が更生のために出所後も保護観察所の監督を積極的に希望した事案において、一部執行猶予の判決を求め、これが認められた経験がありますが、被告人自身に更生の意欲があり、また保護観察所の監督が続くことについて前向きに考えているような場合には、積極的に一部執行猶予の判決を求めていくことになるでしょう。

 刑事事件でお困りの方は、どうぞお気軽に弊所までご相談ください。

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